2011年7月27日水曜日

テトラのスウガク 〜テトラポッドの腕の角度問題〜


※上記画像は株式会社不動テトラのHP より引用


テトラポッドの形状の美しさは、「正四面体」に由来するものがあると思います。
(テトラポッドの腕の先を頂点にすると、正四面体になります。)
実際、テトラ模型作りの際に正四面体やその角を落とした切頂四面体をよく使っています。

正四面体は正三角形を4枚(切頂四面体は正6角形 を4枚)張り合わせるだけで簡単に作る事が出来ます。
しかし、その面がつくる角度は何度なのか? 常々疑問に思っていました。
切頂四面体の斜めに切った断面が正三角形なので、60度より大きいことはわかります。

答えはWikipedia にありました。
「二面角 約70.528779度」というのがそれです。

同様に、テトラポッドの腕の角度も真上からみれば120度ですが、、、
2本の腕が、同一平面上でつくる角度は120度より小さくなるはずです。

この角度は「中心と頂点を結ぶ直線のなす角 約109.471221度」として載っています。
どうやら、(180度 - 二面角)の関係の様です。
今回はこの角度について考えてみましょう。



図のような正四面体ABCD について考えます。
正四面体の中心(重心)は、1つの頂点と、その対面する面の重心を結ぶ線が交差する点です。
ここで、三角形DCB の重心H と頂点A を結ぶ線AH、三角形ACB の重心F と頂点D を結ぶ線DF が交差する点G が、正四面体ABCD の重心になります。

三角形ADE に注目します。



これは、正四面体を中央で2つに切った断面になります。
このとき、∠AED が「二面角」、∠AGD が「中心と頂点を結ぶ直線のなす角」に対応しています。

三角形AEH と三角形AGF が相似形となっていることから、∠AEH = ∠AGF となります。
よって、(180度 - 二面角) = 「中心と頂点を結ぶ直線のなす角」
の関係が成り立っていることがわかります。

AE は三角形ABC の高さであり、F が重心であることから、
AF:FE =2:1 の関係が成り立ちます。
また、AE = DE であり、DH:HE も2:1 となります。

∠AED をθとすると、
Cos θ= HE/AE = 1/3
逆関数(アークコサイン)を使って角度を求めると、
ArcCos(1/3) = 1.23095942 [rad] = 70.5287794 [度]

となりました。よって、テトラポッドの腕の角度は、、、

180 - 70.5 = 109.5 [度]

と、導く事が出来ました。

三角関数の計算はGoogle 電卓で可能です。



=== 追記(2011.8.6) ===

Mcguffin さん からのコメント「立方体に内接する正4面体を考えるとわかり易い」を受けて、再度挑戦しました。
立方体に内接するテトラといえば、、、
テトラ消しゴムのパッケージを思い出します。


こんな感じで、座標をとってみました。


一辺が2の立方体と、一辺が2√2 の正四面体。中心は (0,0,0) で共通です。
この座標取りだと、すぐに各辺の長さがわかります。求めたい「中心と頂点を結ぶ直線のなす角」∠COD や、「二面角」∠CED は前回同様、三角関数(の逆関数)で求める事ができます。
半分の角度(∠COF, ∠CEF )を逆正接(アークタンジェント) で求め、2倍するのが分かり易いと思います。
辺CF が√2なので、

atan (sqrt(2)/1) *180 / pi *2 = 109.471221 [度]
atan (sqrt(2)/2) *180 / pi *2 = 70.5287794 [度]

と、計算できました。

テトラのスウガク 〜テトラポッドデコレーション問題〜


今回はあらためて、テトラポッドの形状について考えてみたいと思います。

「テトラポッドデコレーション問題」とは、テトラポッドの腕(脚?)を飾るシールを作りたい!
という問題です。

テトラコントローラーなど、コップをベースにテトラをつくる事があります。
このコップの側面の展開図を描く方法を考えます。

真横からみると、このような台形の形状をしています。(写真のコップを実測した寸法)


この側面の展開図は次の図のような扇型になるはずです。


この扇形の角度∠AOB と、内側の半径OA, 外側の半径OD の長さはどのように決めれば良いでしょう。

コップの先端を延ばすと、円錐になります。この円錐の展開図は先ほどの扇形DOC そのものです。
円錐を真横から見た図で説明します。


oa とOA、ad とAD は同じ長さです。ad は実測で分かっています。
oa は三角形oab とodc の相似比によって、

ba:cd = oa: od
ba:cd = oa: (oa+ad)
oa*cd = ba*(oa+ad)
oa *(cd-ba) = ba * ad
oa = ba * ad /(cd - ba) = 164.3 [mm]
となります。

このとき
od = oa+ad = 241.3 [mm]

ここで、弧AB の長さは、コップ底面の周の長さとおなじなので、円周率πを使い、π*ba です。

弧度法(ラジアン) で表記すると、∠AOB は π*ba / oa [rad] です。
度数法(度)に変換すると、(180/π) * π * ba/oa = 59.1 [度] になります。

以上で作図に必要な数値が求まりました。

illustrator で描く手順
1) 半径OD の円と半径OA の円を中心をそろえて描く
2) パスファインダーを使って、「中マド」にする(ドーナッツ型をつくる)
3) 中心を通る直線で59.1 度の角度をつくる(オブジェクト > 変形 > 回転)
4) すべてのパスを選択して、パスファインダーの「分割」をする
5) 不要なパスを削除

数値がわかっていれば意外と簡単。
これで飾り放題ですね!



2011年7月20日水曜日

スペース・テトラ


1969年7月20日(日本時間では7月21日) はアポロ11号によって、人類が初めて月面に降り立った日です。
そんなわけで、アポロ買ってきました。


発射準備OK! (アポロのモデルは「司令船」なので、単体では飛び立てません)


赤い!! (いちごが濃いアポロ)


アポロポッド!!




テトラコントローラーは宇宙船っぽいと良く言われるのですが、、、宇宙ステーションに良い形かも。
将来宇宙に家をたてるような事態になったら、、、検討したいですね。

それにしても、アポロ計画のスタートは1961年。いまから50年も前の事です。あと50年もすれば、テトラも宇宙に進出しているかも知れませんね。


ちなみにアポロの箱はうさぎになります。気合いの入ったムービーも必見?

2011年7月18日月曜日

海の日 - 2011年 -

今日は「海の日」です。

毎日暑いですね。こんな日はテトラポッドを見に行きたくなりませんか?

海の日にちなんで、新しい実験を始めました。
みんなでつくるテトラポッドマップ」の作成です。お気に入りのテトラスポットを紹介してください。

今風のWeb サービスでテトラつながりのSNS を!と思って作り始めましたが、
前世紀風のCGI サービスが出来上がりました、、、





てっきり海の日は20日だと思ってたので、間に合わなかったという話も。。

2011年7月1日金曜日

でもさにでるさ



10分間プレゼンイベント DEMOsa 第8回」にエントリーしました。

2011年7月31日(日)14:00~17:00(13:30開場/入退場自由/途中休憩あり)
東京ミッドタウン「インターナショナル・デザイン・リエゾンセンター」
(東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー5F)


発表予定タイトル:「ソフトウェアアーティストのためのハードウェア ~iPad meets Arduino~」


一応これでも MOSA の会員なのでホームグラウンドですが、、、
ちょっとどころではなく、浮いてるかも。
Mac/iOS デベロッパー界に Make の風を吹き込みます!

(※Arduino + iOS の内容は別サイトでやっています。→ tetra-dev

サイトに掲載された写真の全体はこんな感じ。
家の前の駐車場に止まっていた派手なトラックと。



前日は、是非これに、、、テトラたちの勇姿がみられますよ〜